武蔵小杉で中古のタワーマンションを探す人の多くは、エリアではなく棟で探しています。
「パークシティのどれか」「駅直結の棟」のように住みたい建物が先に決まっていて、そこに条件に合う住戸が出るのを待つ探し方です。
この探し方で一番多い失敗は、物件が悪いことではなく、出た住戸を取り逃がすことです。
希望の棟で条件に合う住戸は年に1〜2件しか出ないため、出てから準備を始めると、準備を済ませていた別の買主に先を越されます。
この記事では、棟指定で探す人が売り物が出る前にやっておくこと、売り物の待ち方、同じ棟の中での住戸の選び方を、売るときの出口から逆算して整理します。
■ 30秒で分かる結論
・希望の棟で、広さ・階数・向き・予算まで合う住戸は年に1〜2件しか出ない
・住宅ローンの事前審査、自己資金と諸費用の確認、今の住まいの段取りは、売り物が出る前に済ませる
・ポータルの新着を待つだけでは遅い。仲介会社への棟指定と、売却相談中の住戸の情報を取りに行く
・同じ棟の中では、最上階や角の眺望住戸ではなく、出口で買主が多い中間の住戸を取る
・値引きを待つかどうかは、待つあいだの家賃と金利の上昇を数字にしてから決める
希望の条件で絞ると、売り物は年に1〜2件しか出ない
武蔵小杉の大規模タワーは1棟で数百戸ありますが、そのうち1年間に売りに出る住戸は一部です。
仮に総戸数600戸の棟で、年に20件の売り物が出るとします。
そこから希望の広さ、階数、向き、予算で絞っていくと、条件をすべて満たす住戸は図1のように年に1〜2件まで減ります。
1つひとつの条件は特別に厳しいものではありません。
それでも4つ重ねると、候補は年に1〜2件、時期によっては1年待っても1件も出ません。
しかも同じ棟を指定して探している買主はほかにもいるため、その1件には複数の買主が同時に手を挙げます。
棟指定で探すときの勝負は、物件を見る目より先に、出た瞬間に申し込める状態を作っておけるかで決まります。
条件は「必須」と「妥協できる」に分けておく
4つの条件をすべて必須にすると、待つ期間が長くなるだけで、出てきた住戸を比べる相手もいません。
先に、譲れない条件を2つまでに絞り、残りは妥協できる条件として幅を持たせておきます。
たとえば広さと予算を必須にして、向きは南か西のどちらでもよい、階数は眺望が抜ける高さならよい、と決めておくと、候補は倍に増えます。
この線引きは家族で事前に合わせておき、売り物が出てから話し合わないようにします。
売り物が出てから準備を始めると、良い住戸は取れない
人気の棟で条件の良い住戸が出ると、内見の予約が初日から埋まり、数日で購入の申込が入ることも珍しくありません。
このときに差がつくのが、申込の時点でどこまで準備が済んでいるかです。
図2は、準備を済ませていた買主と、出てから準備を始めた買主の動きを並べたものです。
売り物が出る前に済ませる3つのこと
1つ目は、住宅ローンの事前審査です。
物件が決まっていなくても、想定する価格帯で事前審査を受けておけば、いくらまで借りられるかが確定し、申込のときに審査済みであることを示せます。
事前審査の結果には有効期間があり、多くの金融機関で3か月前後なので、待つ期間が長くなったら受け直します。
借りられる額と無理なく返せる額は違うため、上限は住宅ローンはいくらまで借りていいかの考え方で決めておきます。
2つ目は、自己資金と諸費用の確認です。
中古の購入では、物件価格のほかに仲介手数料、登記費用、ローンの手数料や保証料などがかかり、手付金も契約の時点で現金で必要です。
いくらを現金で出せるかを先に決めておくと、申込のときに手付金の額を迷わずに書けます。
目安は中古マンション購入の諸費用はいくらで整理しています。
3つ目は、今の住まいの段取りです。
賃貸なら解約予告の期間を契約書で確認し、持ち家なら売却を先にするか購入を先にするかを決めておきます。
持ち家の売却が終わらないと買えない状態だと、売主から見て条件の弱い申込になります。
順番の決め方は住み替えは売却先行か購入先行かで扱っています。
内見は一度で決める前提で行く
人気の住戸は、2回目の内見を予約しているあいだに申込が入ります。
内見には、購入を決める家族が全員そろって行き、その場で見る点を事前に決めておきます。
眺望、向き、間取り、室内の傷みのように、図面と写真では分からない点だけを現地で確かめれば、1回の内見で判断できます。
平日の夕方にも内見に行ける日を、売り物が出る前から家族で押さえておくと、初日の枠を取り逃がしません。
申込が重なったときに、売主が見ているもの
同じ住戸に申込が重なったとき、どの買主と契約するかは売主が決めます。
必ずしも先着順ではなく、価格のほかに、事前審査が済んでいるか、手付金の額、契約と引渡しの日程が売主の希望に合うかで判断されます。
価格で並んだときに決め手になるのは、この3つの条件の確かさです。
準備を済ませておくことは、値引きの交渉より先に、そもそも交渉の席に着くための条件です。
売り物の待ち方は、ポータルの新着通知だけでは足りない
ポータルサイトの新着通知を設定して待つのは基本ですが、それだけでは情報が届くのが遅くなります。
ポータルに載る前に、仲介会社の手元で売却の相談が進んでいる住戸があるからです。
売り物を待つ方法は、図3の5つを組み合わせます。
| 待ち方 | 拾える売り物 | 注意点 |
|---|---|---|
| ポータルの新着通知 | 一般に公開された売り物 | 情報が出るのは全員同時で、早さでは差がつかない |
| 仲介会社への棟指定の依頼 | 公開前の売り物、売り出し直後の売り物 | 条件を細かく伝えないと、合わない物件の紹介が続く |
| 売却相談中の住戸の情報 | 査定や売却の相談が入っているが、まだ売り出していない住戸 | 売主がまだ売ると決めていないこともある |
| 所有者への購入希望の打診 | 売る予定がなかった住戸 | チラシ投函を断っている棟もあり、実在する購入希望として依頼する |
| 武蔵小杉マンション相場帳の通知 | 登録した棟・広さ・予算に合う売り出しと、価格の変更 | 通知の対象は弊社の取扱い住戸と、売主の了承を得た住戸 |
仲介会社には、条件を数字で伝える
棟指定で仲介会社に依頼するときは、「パークシティで3LDK」のような伝え方では足りません。
棟、広さの下限、階数の下限、向き、予算の上限、入居の希望時期を数字で伝え、どれが必須でどれが妥協できるかも合わせて伝えます。
事前審査が済んでいることも伝えておくと、売主側から相談が入ったときに、最初に声をかけてもらえる買主になります。
仲介会社が優先して紹介するのは、条件がはっきりしていて、話がまとまる見込みの高い買主です。
売る予定のなかった住戸に打診する
希望の棟でどうしても売り物が出ないときは、所有者に購入希望を伝えて打診する方法もあります。
所有者の中には、住み替えを考えていたが、売り出すのが面倒で先送りしている人もいます。
ただし、タワーマンションはオートロックの内側にチラシが入らず、管理側で投函を断っている棟もあります。
実在しない購入希望者をうたうチラシも出回っているため、誰がどの条件で探しているのかを示せる、実際の依頼として打診することが前提です。
同じ棟の中では、住戸の差だけを比べればいい
棟を決めて探す利点は、比べるものが住戸の差だけになることです。
駅までの距離、管理の質、共用施設、修繕の計画は同じ棟なら共通なので、残るのは階数、向き、眺望、間取り、室内の状態の差です。
このうち、住んでいるあいだの満足と、売るときの価格の両方に効く順に並べたのが図4です。
| 比べる項目 | 住み心地への影響 | 売るときの見られ方 |
|---|---|---|
| 眺望が抜けるか | 大きい | 正面に建物が建たないかまで確認される。将来の建築計画も見る |
| 向き | 大きい | 同じ階数でも向きで価格に差がつく。南向き・眺望側が先に売れる |
| 階数 | 中くらい | 同じ向きなら上の階ほど高いが、最上階付近は買える人が限られる |
| 間取り | 大きい | 柱や梁の出っ張り、廊下の長さで、同じ㎡でも使える広さが違う |
| 室内の状態 | 中くらい | リフォームで直せるため、価格に織り込んで比べる |
室内の状態は後から直せますが、眺望、向き、間取りは買ったあとに変えられません。
同じ棟で2つの住戸を比べるときは、内装がきれいな住戸より、変えられない条件が良い住戸を優先します。
内見で確認する点は中古マンションの内見チェックリストにまとめています。
最上階や角の眺望住戸は、出口で買主が限られる
棟の中で一番高い住戸は、住む満足は大きい反面、売るときに買える人の数が少なくなります。
価格が上がるほど、その金額を借りられる買主、出せる買主の数は減るからです。
反対に、低層で眺望がない住戸は買いやすい価格ですが、同じ棟の上の階と並べられたときに選ばれにくくなります。
売るときに買主が一番多いのは、眺望がある程度抜けて、価格が棟の中の真ん中あたりにある住戸です。
階数と眺望でどれだけ価格が変わるかは、タワマンは階数・向き・眺望で価格がどれだけ変わるかで詳しく扱っています。
値引きを待つか、満額で取りに行くか
同じ棟に条件の近い売り物が同時に3件、4件と出ている時期は、価格の交渉が通りやすくなります。
売主どうしが同じ買主を取り合う形になるからです。
反対に、条件に合う住戸が1件しか出ていないなら、交渉で数十万円を削ろうとしているあいだに、ほかの買主が満額で申し込みます。
値引きの交渉が通る場面と通らない場面は中古マンションの値引き交渉でも整理しています。
待つあいだのコストを数字にする
値引きを待つか、価格どおりに取りに行くかは、待つあいだに出ていくお金と比べて決めます。
図5は、価格9,000万円(70㎡なら坪単価約425万円)の住戸で、100万円の値引きを狙って半年待った場合の試算です。
| 項目 | 金額 | 前提 |
|---|---|---|
| 狙っている値引き | 100万円 | 価格9,000万円の約1.1% |
| 半年分の家賃 | 150万円 | 賃貸住まいで家賃25万円の場合 |
| 金利が0.25%上がった場合の返済の増加 | 月約1万円35年で約437万円 | 9,000万円を35年・元利均等で借入、金利0.8%が1.05%になった場合 |
| 結論 | 家賃だけで値引き額を上回り、金利が上がれば差はさらに広がる | |
この例では、100万円の値引きを待つあいだに家賃だけで150万円が出ていきます。
金利が上がれば月々の返済も増え、待った分だけ損が大きくなります。
もちろん、条件に合う住戸が同時に複数出ていて、交渉が通る見込みがあるなら、待つ判断もあり得ます。
なんとなく安くなるのを待つのは判断ではありません。
待つコストと見込める値引きを並べ、値引きの方が大きいときだけ待ちます。
よくある質問
物件が決まっていなくても、住宅ローンの事前審査は受けられますか。
金融機関によっては、物件が決まる前でも想定する価格帯で事前審査を受けられます。
受けられない場合も、仲介会社を通して候補の物件で先に審査を出しておけば、本命の住戸が出たときに同じ条件で進められます。
希望の棟に売り物が出るまで、どのくらい待つものですか。
棟の規模と条件の厳しさで変わり、条件を絞り込んでいると1年以上かかることもあります。
必須の条件を2つまでに絞り、事前審査を済ませておくと、待つ期間を短くできます。
ポータルに載っていない売り物は、どうすれば紹介してもらえますか。
仲介会社に、棟・広さ・階数・向き・予算・時期を数字で伝え、事前審査が済んでいることも伝えて依頼します。
売却の相談が入った段階で声がかかる買主になれるかは、条件の明確さと準備の度合いで決まります。
同じ棟に気になる住戸が2つあります。どちらを選べばいいですか。
眺望、向き、間取りのように買ったあとに変えられない条件が良い方を優先します。
室内の状態はリフォームで直せるため、その費用を価格に足したうえで比べます。
まとめ
武蔵小杉で棟を決めて中古のタワーマンションを探すなら、希望の条件に合う住戸は年に1〜2件しか出ない前提で動きます。
住宅ローンの事前審査、自己資金と諸費用の確認、今の住まいの段取りは、売り物が出る前に済ませておきます。
売り物はポータルの新着を待つだけでなく、仲介会社への棟指定と、売却相談中の住戸の情報を取りに行きます。
同じ棟の中では、変えられない条件が良く、売るときに買主が一番多い中間の住戸を選びます。
値引きを待つかどうかは、待つあいだの家賃と金利の上昇を数字にしてから決めます。
希望の棟と条件を登録しておくと、武蔵小杉マンション相場帳の無料会員で売り出しの通知を受け取れ、棟の選び方そのものは武蔵小杉のタワーマンションの選び方で扱っています。
武蔵小杉マンション相場帳(株式会社スピアード)/souba/
住宅ローンの返済額は元利均等返済・ボーナス返済なしで弊社が試算


