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購入編 売却編

不動産取引でよくある4つのトラブルと、その回避策

不動産取引でよくある4つのトラブルと、その回避策
この記事の監修者
南 和希
株式会社スピアード 代表取締役
宅地建物取引士 / 2級FP技能士

1999年、神奈川県横浜市生まれ。
新卒で大手不動産会社に入社後、営業部内トップセールスを達成。
3年の実績を経て独立し、株式会社スピアードを設立。
代表プロフィールを見る →

売買仲介・投資用不動産・中古不動産の仕入れ再販・リノベーションなど、不動産業界の幅広い領域で実務経験を持つ。
自身でも不動産の購入を3回、売却を2回、リノベーションを1回経験した実践派。
現在はメディア取材・自社サービスが計6媒体に掲載されている。

不動産取引は、人生で最も高額な取引のひとつです。
その分、ひとつのミスが数十万円、場合によっては数百万円の損失につながることも珍しくありません。

不動産業界に入って以来、私自身も幾度となく現場でトラブルの現場を目撃してきました。
そして、そのほとんどに共通しているのは「知っていれば防げた」という事実です。

このコラムでは、不動産取引でよくある4つのトラブルを取り上げ、それぞれの回避策を実務の視点から解説します。

不動産契約書とトラブル
知っていれば防げた——不動産トラブルの9割はここから始まります。

①物件の説明と実態が違った(告知義務違反・重要事項説明の不備)

■ よくある事例

引渡し後に「雨漏りがある」「過去にシロアリ被害があった」「実は事故物件だった」と発覚するケースです。
中には売主様がわかっていながら告知しなかったケース、仲介担当が確認を怠ったケースも存在します。

■ なぜ起きるのか

不動産取引では、売主様に「契約不適合責任」と「告知義務」が課されています。
しかし、単純なコミュニケーション不足によって見落とされることがあります。
また、仲介担当が「重要事項説明書」を流れ作業で読み上げるだけで済ませてしまい、買主様が内容を理解できないまま署名するケースも多くあります。

■ 回避策

重要事項説明書は、契約当日に初めて見るのではなく、事前に送付してもらいじっくりと読み込むことをおすすめします。
気になる点は口頭ではなく、書面またはメールで質問・確認を残しておくことが大切です。
また、中古戸建であればインスペクション(建物調査)の活用も有効です。
費用は数万円程度ですが、物件の状態を客観的に把握できるため、契約後のトラブル防止に大きく貢献します。

なお、過去に瑕疵や事件があった物件については、仲介会社は告知義務を負っています。
不安な場合は、担当者に直接確認してもらいましょう。


②住宅ローンの本審査に通らなかった

■ よくある事例

「事前審査(仮審査)では通過したのに、本審査でNGになった」
このパターンは意外と多く、契約後に発覚するため特に深刻です。

■ なぜ起きるのか

事前審査はあくまで「簡易的なチェック」です。
本審査では、より詳細な書類審査が行われます。
よくある否決理由は以下の通りです。

・事前審査の申告内容と違っていた
・事前審査後に転職または退職した
・他のローンや分割払いの存在が発覚した
・健康状態の問題で団体信用生命保険(団信)に加入できなかった
・物件の担保評価が融資希望額を下回った

■ 回避策

事前審査から本審査の期間中は、クレジットカードの新規申し込み・車のローン・転職などは控えるのが鉄則です。
また、健康状態に不安がある場合は「ワイド団信」や「フラット35」など、審査条件が異なる商品も検討してください。
複数の金融機関に事前審査を出しておくことで、万一の否決にも対応できる選択肢を持てます。


③引渡し後に欠陥が発覚した(契約不適合責任)

■ よくある事例

入居後に「雨漏り」「給排水管の故障」「境界の食い違い」が発覚するケースです。
特に中古物件では、引渡し後に次々と不具合が見つかることもあります。

マンション・住宅
中古物件の購入では、引渡し前の確認がリスクヘッジの要です。

■ なぜ起きるのか

2020年の民法改正により「瑕疵担保責任」が「契約不適合責任」へ変わりました。
これにより、売主様の責任範囲が明確化された一方で、個人間の中古物件売買では「契約不適合責任を免除(または期間を制限)する特約」を設けるケースもあります。
知らずに署名してしまうと、引渡し後の欠陥についてほぼ泣き寝入りになる場合があります。

■ 回避策

まず、契約書に「契約不適合責任の有無と期間」がどう記載されているかを確認してください。
売主様が個人の中古物件では3か月、売主様が不動産会社の場合は2年以上の保証が義務付けられています。
また、引渡し前の最終内覧では「設備・水回り・建具の動作確認」を必ず行い、不具合があれば引渡し前に対応を依頼しましょう。


④仲介会社とのトラブル(囲い込み・両手狙い)

■ よくある事例

「なかなか内見希望者が来ないと思っていたら、実は他社からの問い合わせを仲介会社が断っていた」
いわゆる「囲い込み」と呼ばれる行為です。

悪質な仲介会社は、売主・買主の双方から手数料を受け取る「両手仲介」を狙って、意図的に他社への情報流通を遮断することがあります。
売主様の「できるだけ高く売りたい」という利益よりも、仲介会社の「両手を取りたい」という利益が優先されるケースです。

不動産仲介の透明性
透明性のある仲介を選ぶこと。
それが売主様の利益を守る第一歩です。

■ なぜ起きるのか

不動産業界では、最大で売主・買主の両方から仲介手数料を受け取ることができます。
一方だけからでは手数料が半分になるため、一部の会社や担当者が意図的に外部への情報流通を妨害するのです。
大手・中小問わず、構造的に発生しやすいトラブルです。

■ 回避策

売主様として最初にやるべきことは、レインズ(不動産流通標準情報システム)への登録状況を自分でも確認することです。
専任・専属専任媒介契約では、一定期間内のレインズ登録が義務付けられています。
登録後、売主様もレインズの「登録証明書」を受け取ることができます。
また、担当者に「他社からの問い合わせ数」を定期的に報告させ、反響が著しく少ない場合は積極的に理由を問い合わせましょう。
正直に動いてくれる担当者かどうかは、売却活動の透明性で判断できます。


まとめ:トラブルの9割は「事前の準備」で防げる

今回取り上げた4つのトラブルに共通しているのは、「知らなかったこと」が原因のほぼすべてだということです。

・重要事項説明書を事前に読んでいれば防げた
・ローン特約の条件を確認していれば防げた
・インスペクションを実施していれば防げた
・レインズを自分で確認していれば防げた

不動産取引では「担当者を信頼すること」はもちろん大切ですが、自分自身でも基礎的な知識を持ち、確認する習慣を持つことが、最大のリスクヘッジになります。

信頼できるパートナーを選ぶこと。
そして、重要な局面では自分でも確認すること。
この2つが揃えば、不動産取引のトラブルは大幅に減らせます。

株式会社スピアードでは、購入・売却いずれの場合も「リスクを正直にお伝えすること」を方針としています。
不安なことがあれば、まずはお気軽にご相談ください。

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