Service
購入について 売却について 不動産コンサルティング 対応エリア 代表プロフィール 諸費用・ローンシミュレーター 無料売却査定
Property
販売物件 成約実績 お客様の声 不動産コラム
Company
会社概要 よくあるご質問 アクセス 採用情報 プライバシーポリシー
無料で相談する 電話する LINEで相談
← コラム一覧に戻る
売却編 購入編

事故物件の告知ルール——国交省ガイドラインで決まった「言うべきこと」

事故物件の告知ルール——国交省ガイドラインで決まった「言うべきこと」
この記事の監修者
南 和希
株式会社スピアード 代表取締役
宅地建物取引士 / 2級FP技能士

1999年、神奈川県横浜市生まれ。
新卒で大手不動産会社に入社後、営業部内トップセールスを達成。
3年の実績を経て独立し、株式会社スピアードを設立。
代表プロフィールを見る →

売買仲介・投資用不動産・中古不動産の仕入れ再販・リノベーションなど、不動産業界の幅広い領域で実務経験を持つ。
自身でも不動産の購入を3回、売却を2回、リノベーションを1回経験した実践派。
現在はメディア取材・自社サービスが計6媒体に掲載されている。

売却の相談で、言いにくそうに切り出される質問があります。
「実は、この部屋で家族が亡くなっているんですが、言わないといけませんか」。
結論から言うと、病気による自然死や日常生活の中での事故死は、原則として告げる必要はありません。
一方で、自殺や事件、発見が遅れて特殊清掃が必要になったケースは、原則として告げる必要があります。

この線引きは、2021年10月に国土交通省が公表した「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」で整理されました。
それまでは業者ごとに判断がばらばらで、売主も買主も不安を抱えたまま取引していました。
いまはルールがあります。
売る側も買う側も、このルールを知っているかどうかで結果が変わります。

■ 30秒で分かる結論
 ・自然死、日常生活での不慮の死(転倒、誤嚥など)は、原則として告知不要
 ・自殺、他殺、特殊清掃が行われた死は、原則として告知が必要。売買では期間の定めがない
 ・隣の住戸や、普段使わない共用部分での死は、原則として告知不要
 ・買主から聞かれた場合や、社会的な影響が大きい事案は、告知が必要
 ・売主が知っていて隠すと、契約解除や損害賠償のリスクを負う


告知が「不要」な3つのケース

ガイドラインは、告げなくてもよいケースを3つに整理しています。

ケース売買賃貸
自然死・日常生活での不慮の死(転倒、誤嚥など)原則不要原則不要
上記以外の死、または特殊清掃等が行われた死告知が必要(期間の定めなし)おおむね3年経過で原則不要
隣接住戸や、日常生活で通常使用しない共用部分での死原則不要原則不要

ここで押さえておくべきは、賃貸の「3年ルール」が売買には適用されないことです。
売買では、何年前の出来事であっても、自殺や事件、特殊清掃を伴う死は原則として告知の対象です。
住む期間が長く、購入金額も大きい売買では、買主の判断に与える影響が大きいと考えられているからです。

また、マンションの共用部分のうち、エレベーターや共用廊下のように日常的に使う場所での死は、「通常使用しない共用部分」には当たりません。
事案の内容によっては告知の対象になり得るので、管理会社への確認が必要です。

告知が「必要」なときに伝える内容

告知が必要な場合、仲介会社が買主に伝えるのは次の4点です。

・事案の発生時期(特殊清掃等が行われた場合は発覚時期)

・場所

・死因

・特殊清掃等が行われたこと

亡くなった方の氏名や家族構成、詳しい状況までは伝えません。
ガイドラインは、亡くなった方や遺族の名誉と生活の平穏に配慮するよう求めています。
必要な事実だけを、正確に伝える。
これが告知の基本です。

例外:「聞かれたら答える」「影響が大きければ告げる」

告知不要のケースであっても、例外が2つあります。
1つは、買主から質問された場合です。
もう1つは、事件性や周知性が高く、社会的な影響が大きい事案だと仲介会社が認識した場合です。
この2つに当たるときは、調査で分かった範囲で告げる必要があります。

出典:国土交通省「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」(2021年10月)
https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo16_hh_000001_00029.html

売主が知っておくべきこと:隠すほうが高くつく

仲介会社には、インターネットの事故物件サイトを調べたり、近所に聞き込みをしたりする義務まではありません。
その代わり、売主に「告知書(物件状況報告書)」を書いてもらうことで、調査を尽くしたことになります。
つまり、情報の出発点は売主の申告です。

ここで事実を書かずに売却し、引渡し後に発覚すると、買主から契約解除や損害賠償を求められるリスクがあります。
マンションは、同じ建物の住民や管理会社を通じて、過去の出来事が伝わりやすい住まいです。
「黙っていれば分からない」は、まず通用しないと考えてください。

価格への影響は、事案の内容と経過年数、立地で大きく変わります。
自然死で早期に発見されたケースであれば、告知そのものが不要です。
告知が必要な事案でも、立地と管理が良いマンションでは、相場からの値引きを最小限に抑えて成約するケースがあります。
大切なのは、最初から事実を開示し、それを織り込んだ価格戦略を立てることです。

売主が最初にやること

・媒介契約の段階で、仲介会社の担当者に事実を正確に伝える

・告知書には、時期、場所、死因、特殊清掃の有無を記載する

・分からないことは「不明」と書き、推測で書かない

買主が知っておくべきこと:気になるなら書面で聞く

買主の立場で言えば、ガイドラインのルールでは、自然死などは告知されないまま取引が進むことがあります。
それが気になる方は、購入申込みの前に仲介会社を通じて質問してください。
買主から聞かれた場合、仲介会社は調査で分かった事実を告げる必要があります。

質問はメールなど記録に残る形で行い、回答も書面でもらうのが確実です。
後から「聞いていない」「言った」の争いになるのを防げます。
気にならない方にとっては、告知事項のある物件は相場より安く買える選択肢にもなります。
自分にとって何が重要かを先に決めておけば、判断に迷うことはありません。


結論:ルールを知って、隠さない・遠慮しない

売主・買主それぞれの行動指針

・売主:告知が必要な事案は、最初に仲介会社へ伝え、価格戦略に織り込む

・売主:告知不要のケースでも、聞かれたときに正確に答えられるよう事実を整理しておく

・買主:気になる点は、申込み前に書面で質問する

・買主:告知事項を受け入れられるなら、価格面のメリットとして検討する

人の死に関わる話は、誰にとっても口に出しにくいものです。
ただ、取引のルールははっきりしています。
ルールに沿って事実を伝えることが、売主にとっても買主にとっても、一番トラブルの少ない進め方です。
告知が必要な物件の売却も、まずは事実を整理するところから一緒に始めます。

Contact Us

まずはお気軽にご相談ください

購入・売却のご相談はいつでも承っております。