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購入編

住宅ローン控除を簡単解説——2026年からの5年延長と中古拡充

住宅ローン控除を簡単解説——2026年からの5年延長と中古拡充
この記事の監修者
南 和希
株式会社スピアード 代表取締役
宅地建物取引士 / 2級FP技能士

1999年、神奈川県横浜市生まれ。
新卒で大手不動産会社に入社後、営業部内トップセールスを達成。
3年の実績を経て独立し、株式会社スピアードを設立。
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売買仲介・投資用不動産・中古不動産の仕入れ再販・リノベーションなど、不動産業界の幅広い領域で実務経験を持つ。
自身でも不動産の購入を3回、売却を2回、リノベーションを1回経験した実践派。
現在はメディア取材・自社サービスが計6媒体に掲載されている。

住宅購入における最大の優遇制度、それが住宅ローン控除(住宅ローン減税)です。条件次第で13年間の合計で数百万円、税金が戻ってきます。物件の値引き交渉で100万円を勝ち取るより、この制度を正しく使う方がインパクトが大きいケースは普通にあります。

そして2026年は、この制度の大きな転換点です。2025年末で期限切れの予定だった制度が、2026年度(令和8年度)税制改正で5年延長(2030年末入居まで)され、特に中古住宅の扱いが大幅に拡充されました。


仕組み:年末のローン残高×0.7%が税金から戻る

毎年末の住宅ローン残高 × 0.7% を、所得税(引き切れない分は住民税の一部)から控除。控除期間は新築・買取再販で13年。中古住宅も2026年入居分からは従来の10年から13年に延長されました。年末残高5,000万円なら、その年の控除額は35万円です。

ポイントは「税額控除」であること。課税所得から引くのではなく、納める税金そのものから引かれます。ただし控除できるのは自分が納めている税金が上限。年収によっては満額使い切れないこともあるため、資金計画の段階で試算しておくべきです。

出典:国土交通省「住宅ローン減税」
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000017.html

借入限度額:住宅性能と世帯属性で決まる

控除対象のローン残高には上限があり、住宅の省エネ性能×世帯属性で決まります。「子育て世帯」=19歳未満の扶養親族がいる世帯、「若者夫婦世帯」=夫婦のいずれかが40歳未満の世帯です。

住宅の種類・性能一般世帯子育て・若者夫婦世帯
【新築】認定長期優良住宅・低炭素住宅4,500万円5,000万円
【新築】ZEH水準省エネ住宅3,500万円4,500万円
【新築】省エネ基準適合住宅3,000万円4,000万円
【中古】認定住宅・ZEH水準等(2026年拡充)3,500万円4,500万円
【中古】省エネ基準適合住宅2,000万円

2026年度改正の目玉:中古住宅の大幅拡充

高性能な中古住宅(認定住宅・ZEH水準等)の限度額は3,000万円→3,500万円(子育て・若者夫婦世帯は4,500万円)へ引き上げ。控除期間も10年→13年に延長。子育て世帯等の最大控除額は13年合計で400万円超(2025年の210万円から大幅増)と、新築とほぼ遜色ない水準になりました。「新築か中古か」の損得計算は、2026年を境に大きく変わっています。

出典:SUUMO「中古住宅(既存住宅)向け住宅ローン控除の拡充など、2026年度税制改正大綱を解説」https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/sumai_nyumon/money/2026zeiseitaikou/ / LIFULL HOME'S「2026年度税制改正で住宅ローン減税はどう変わる?」https://www.homes.co.jp/cont/buy_kodate/buy_kodate_00950/

主な適用条件

・合計所得2,000万円以下

・床面積50㎡以上(新築等の一部は所得1,000万円以下なら40㎡以上に緩和)

・返済期間10年以上のローン

・引渡しから6ヶ月以内に入居し、自ら居住

・1982年(昭和57年)以降に建築された住宅(中古の場合。それ以前は耐震基準適合の証明が必要)

見落とすと痛い省エネ要件:2024年以降に建築確認を受けた新築住宅は、省エネ基準を満たさなければ控除額はゼロ。省エネ性能の証明書類(建設住宅性能評価書や省エネ基準適合証明書など)の有無を必ず確認してください。


手続き:初年度だけ確定申告、2年目からは年末調整

「手続きが難しそう」とよく言われますが、頑張るのは初年度だけです。

・初年度:入居した翌年の2月16日〜3月15日に確定申告(e-Taxで自宅から完結可)。必要書類は登記事項証明書、売買契約書の写し、ローンの年末残高証明書、省エネ性能の証明書類など。
・2年目以降:会社員なら年末調整だけで完結します。


実務上の注意点3つ

①繰り上げ返済は控除期間中は慎重に
控除は年末残高の0.7%。ローン金利が0.7%を下回っている場合、繰り上げ返済で浮く利息より控除で戻る税金の方が大きい逆転現象が起きます。損得を試算してから。

②売却時の「3,000万円特別控除」と併用不可
住み替えで前の家に3,000万円控除を使うと、新居の住宅ローン控除は受けられません(入居年とその前2年・後3年の売却が対象)。どちらが得かの事前比較が必須です。

出典:国税庁 タックスアンサー No.3302「マイホームを売ったときの特例」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3302.htm

③2028年以降はさらに縮小の方向
2028年以降に建築確認を受ける住宅では、省エネ基準適合住宅(最低ランク)が原則対象外となる方向が示されています。制度は年々「性能の高い住宅ほど優遇」に寄っています。制度が厚い今の期間は、購入検討者にとってチャンスです。


まとめ

・住宅ローン控除は年末残高×0.7%×13年。数百万円規模の優遇

・限度額は住宅性能×世帯属性。子育て・若者夫婦世帯は上乗せあり

・2026年から5年延長+中古が大幅拡充(高性能中古は3,500〜4,500万円・13年)

・新築は省エネ基準が必須。証明書類の確認を忘れずに

・手続きは初年度の確定申告のみ。2年目からは年末調整

住宅ローン控除は「知っているだけで数百万円変わる」制度です。物件選びの段階から、性能・広さ・入居時期を控除とセットで設計する。これが賢い買い方です。

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